コミュニケーションという言葉はさまざまな意味で使用されていますが、本来は言語学の用語だったそうです。一般的に使われているコミュニケーションについては
★お互いの感情を理解しあう能力。
★その前段階として「言葉の意味」を互いに理解しあう能力。
★それらを生かして信頼関係を築いていく能力。
また、言葉以外の方法でも
★非言語的な要素(相手の表情・アイコンタクト・場の空気)を読み、相手の気持ちを推察する能力。
★上記の非言語的な要素により感知した気持ちを尊重して、自分の感情や意思を相手に伝える能力。
が求められることになります。
ところが、他のページでも何度も述べているように、アダルトチルドレンという環境下で育った方にとっては、
今まで経験したことがない作業を強いられることになります。
学校の授業にも出席させてもらえなかったという方にとって、前段階の「言葉の意味」が理解できないために
友人はともかく、職場や親戚・パートナーとの意思疎通も(何もないときにはうまくいったとしても)混乱す
る傾向があります。
外見は成人だとしても、本来得ておくべき知識が蓄積されていないので、社会生活には対応できにくいのです。
さらに、子供ができたとしても、どう扱ってよいのか理解できません。自分自身が親の成功体験でなかったため
に、その体験を生かすことができないのです。特に最近では、核家族化の進展や格差拡大によりアダルトチルド
レンに対する救いの手も激減しています。
ケンカになると、普段は抑えていた言葉も出ることが多くなりますので、「やっぱり親のいない子はダメ」など
と周囲から罵声を浴びせられ、さらに逆上するという悪循環になってしまうケースも後を絶ちません。
職場を点々としたり、離婚するだけならまだましなのですが、暴力事件に発展することも多く、そうなるとせ
っかくの人生を取り戻せなくなってしまいます。お互いを傷つけあうという事態に至らないよう、日頃からス
キルトレーニングを行うことが大切です。